IBM Cloud 内の Tier の計画

IBM Spectrum Virtualize for Public Cloud は、IBM Cloud によって外部 MDisk として提供されるバックエンド・ストレージを使用します。この外部 MDisk は、デフォルトでは単一の Storage Tier として認識されます。外部 MDisk に複数の Tier を指定することで、マルチ Tier ソリューションを実現できます。

SAN ボリューム・コントローラーおよびその他の関連製品では、システムは、Tier 0 フラッシュ、Tier 1 フラッシュ、Enterprise Tier、および Nearline Tier の 4 つの Tier タイプの MDisk をサポートします。ストレージ・プールは、複数の Tier タイプの MDisk が含まれている場合にのみ、ハイブリッド・プールとして認識できます。IBM Cloud ストレージに対して、管理者は、階層 I/O 密度および待ち時間を持つこれらの Tier に Cloud Storage Tier をマップすることができます。

Easy Tier は、Easy Tier 負荷を使用して特定の MDisk の負荷サイズを識別します。以下の表は、各 Tier の IOPS 能力および対応する Easy Tier 負荷を示しています。
注: 入出力サイズは 16 KB で、読み取り/書き込みの比率は 50% です。
表 1. IBM Cloud 内の Easy Tier
Easy Tier 定義

推奨される I/O 密度 (GB 当たりの IOPS)

Easy Tier 負荷

MDisk IOPS 能力

Tier 0 フラッシュ >=10 非常に高い 40000
高い 25000
中程度 15000
低い 8000
Tier 1 フラッシュ >= 4 非常に高い 35000
高い 28000
中程度 20000
低い 9000
Enterprise Tier >=2 高い 2000
中程度 1000
低い 400
Nearline Tier <2 高い 320
中程度 270
低い

200

この能力を参照して、ご使用のクラウド・ストレージの IOPS を判別することができます。ただし、逸脱が大きすぎると、Easy Tier がストレージを過度に使用したり、十分に活用できなかったりする可能性があります。例えば、4000 IOPS と 2 TB を必要とする場合、4000 IOPS に対応する 2 TB LUN を 1 つ購入するより、それぞれが 2000 IOPS に対応する 1 TB LUN を 2 つ購入するほうが適しています。Easy Tier が GB 当たり 2 IOPS の MDisk に提供できる IOPS は最高で 2000 であるため、4000 IOPS の LUN では、十分に活用することができません。

管理対象のハイブリッド・プールでは、Tier 0 フラッシュおよび Tier 1 フラッシュが、十分な能力と待ち時間を提供する、最もパフォーマンスの高い Tier として使用されます。Tier 0 フラッシュと比較して、Tier 1 フラッシュは I/O 密度は低くなりますが、容量は大きくなります。ハイパフォーマンス Tier として使用する Tier タイプは、ワークロードの特性によって異なります。Tier 1 フラッシュおよび Enterprise Tier の Tier タイプは、通常のワークロードと新規のデータ割り振りを処理します。Easy Tier は、最も多く使用されているエクステントを自動的に選択し、それらを最上位の Tier に昇格させます。Nearline Tier は、いずれのワークロードも含まれない未使用のエクステントを保管できます。Easy Tier は、そのような未使用のエクステントを自動的に識別して、Nearline Tier に配置します。Easy Tier は、同じ Tier 内のストレージ全体で、ストレージの使用状況に基づいて、エクステントのバランスを自動的に再調整します。

ハイブリッド・プール内でのハイパフォーマンス Tier とその他の Tier の比率は、ワークロードの特性とスキューによって異なります。理想としては、プール内に新規エクステントを保持するのに十分なスペースが使用可能でなければなりませんが、それ以上のスペースは必要ないため、フラッシュ容量が浪費されることはありません。例えば、40000 のランダム IOPS が生じる 20 TB のデータがあり、90% のワークロードが 2 TB に集中している場合、パフォーマンス・ストレージとエンデュランス・ストレージの両方を組み合わせて購入することができます。この例では、2 TB、40000 IOPS のパフォーマンス・ストレージを 1 つと、1 TB、250 IOPS のエンデュランス・ストレージを 18 個購入することができます。すべてのクラウド・ストレージが外部 MDisk として認識され、その Tier タイプは Enterprise Tier になります。40000 IOPS LUN の I/O 密度は 20.00 になるため、その Tier タイプは Tier 0 フラッシュにすることができ、Easy Tier 負荷は very_high に設定されます。この設定を変更するには、次のコマンドを使用します。
chmdisk -tier tier0_flash -easytierload very_high
I/O 密度が 0.25 の 250 IOPS LUN の場合、Tier タイプは Nearline Tier に設定する必要があり、Easy Tier 負荷は medium に設定されます。この設定を変更するには、次のコマンドを使用します。
chmdisk -tier tier_nearline -easytierload medium